• 江戸を学び、江戸で遊ぼう


     ここ、数年、会社で、RPAというキーワードをよく耳にするようになりました。どうやら、情シス部門では、当たり前の知識となって来ているようです。また、注意してみると、毎日のようにネットニュースで取り上げられていることに気づきます。ただ、経営層や一般部門の方だと、少しとっつき難く、馴染みも薄いですよね。
     そんな方のために、「いざという時に一言は言える」レベルまで到達することをゴールに、以下のように3回に渡って解説していきます。


    第1回:RPAって何?
    第2回:RPAの目、RPAの手
    第3回:あなたの会社に適したRPAは?


     これで、あなたも明日から、「社長ー!、流石です。」とか「君、なかなか勉強してるね!」とか言われ、「注目のまと」になれる?……かもしれません。今回は第1回目です。一緒に頑張りましょう。


    RPAって何の略?


     RPAとは、Robotic Process Automationの略です。つまり、ロボットによる業務の自動化を意味しています。ここで、気をつけなければいけないのは、このロボットは、「スターウォーズ」に出てくる「R2-D2」とか「C-3PO」のように実体のあるロボットではないということです。RPAは、簡単に言うと「パソコンの画面上で動くロボット」つまりソフトウェアです。

    ※ RPAはサーバで動かす場合もあります。

    RPA入門1


    AIとの違いと3つのレベル


     AIとRPAは、よく混同されますが、大きな違いがあります。AIは、自らの判断で動きます。一方、RPAは、予め定めたルールに従って動きます。
     このRPAには、レベルが3つあるとされています。クラス1だと定型業務のみサポートします。クラス2だとAIと連携して一部の非定型業務をサポートします。クラス3だとAIとの連携をさらに進め、業務分析や改善、意思決定までサポートできるようになるとされています。


    RPAってどんなことが出来るの?


     RPAは、「パソコンの画面上で動くロボット」と言いましたが、ロボットのようなアイコンが出てきて、パソコンの画面上を動き回るわけではありません。誰もいないのに、Excelが起動して入力をしたり、Web画面を操作したりと、まるで幽霊がパソコンを操っているように見える動き方をします。深夜一人で、その動きを見ていると結構不気味かも知れません…。

    RPA入門2
     それでは、RPAはどのようなことが出来るのでしょうか?ここでは、ある中小企業の経理部門で、働いている田中君を例に説明してみましょう。


     田中君の仕事は、毎朝、パソコンの電源を入れることから始まります。この日、ちょっと遅刻気味に出社した田中君は慌てて、(1)パソコンの電源を入れました。そして(2)おもむろにをメールのチェックを始めると、営業部より請求書の作成依頼が来ていくことに気付きました。田中君は、早速、(3)メールに添付されていたEXCELを元に、会社の販売管理システムへ入力し、請求データを作成します。次に、そのデータを使って(4)請求書と宛名ラベルを印刷します。そして、(5)その請求書と宛名ラベルをプリンターから取り出し、請求書を封筒に入れ、宛名ラベルをと切手を封筒に貼り付けました。最後に、田中君は、午前中のうち、(6)その封筒を最寄りの郵便ポストに投函しました。


     上図で、RPAで操作可能に思える「候補は何番」でしょうか?
     (1)は、どうでしょうか?RPAはロボットとは言え、パソコンの電源スイッチを入れるような物理的な操作は、出来ません。従って、(1)のパソコン電源ONは出来ません。また、(5)の封筒に入れる、(6)のポストに投函するも手作業のため、無理ですね。従って(2)メールチェック、(3)システム入力、(4)印刷指示の3つが正解です。このようにパソコンの画面上の操作を人間の代わりに実行するのがRPAです。
     そう言えば、上記の問いを、敢えて「候補は何番」としたか疑問に思った方もいると思います。これは、2回目の「RPAの目、RPAの手」で説明しますが、パソコン上の操作でも苦手なものがあり、出来ない可能性もあるからです。


    あれ?RDAって言ってる人がいるけど…


     RPAという言葉と別に「それはRPAではなくRDAだね。」とか「このRDAがね…」とか、「したり顔」で言っている方に遭遇する時があります。そんな時、あなたは「ああ、RDAね。確かにそうだね。」とか返したいものですよね。ここでは、そんなあなたのご要望にお応えします。
     RDAは、Robotic Desktop Automationの略です。サーバー上で動くことに限定した狭義のRPAに対応する言葉として、PC上でのみで動作するロボットを敢えてRDAと呼ぶことがあります。RPAという言葉は、広義的には、サーバーで動く場合もPCで動く場合も含まれますし、どちらでも動くRPAが殆どになってきましたので、最近ではあまり使われなくなってきています。従って、あまり気にする必要はありませんが、一応、頭の片隅にでも入れておくと良いでしょう。

    RPA入門5


    まとめ


     第1回目は、いかがだったでしょうか?RPAの一端は解って来たかなと思います。それでは、第2回目の「RPAの目、RPAの手」に続きましょう。


     特集「RPA入門
     第1回:RPAって何?
     第2回:RPAの目、RPAの手
     第3回:あなたの会社に適したRPAは?


     


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