• 江戸を学び、江戸で遊ぼう

    ファストフードと言えば、 ハンバーガーやフライドチキン、牛丼なんかを思い浮かべますが、 江戸時代のファストフードは何だったか知っていますか? 代表的なものは3つありました。


    広重 江戸百景「虎の門外あふひ坂」
    広重 江戸百景「虎の門外あふひ坂」(出展:ウイキペディア)パブリック・ドメイン

    夜中でも売っていた蕎麦


    1つ目のファストフードは、蕎麦です。 これはなんとなく解りますね。お店で出すものもありましたが、 代表的なものは屋台です。夕方から夜中にかけて屋台を担いで、 回ります。夜鷹(路傍で客引きをしていた娼婦) に対して売ることも多かったからか夜鷹蕎麦と呼ばれていたまし た。また、夜の町に風鈴を鳴らしながら屋台を流していたので、 風鈴蕎麦などと呼ばれていました。蕎麦の値段は16文( 300円強)ほどで、手軽に食べることができました。現在だと、 夜中にお腹が空いた時、 カップ麺を食べるのと同じような感覚だったのかもしれません。


    今の2倍の大きさだった寿司


    次のファストフードは寿司です。今だと、 寿司屋と言うとちょっと高級な感じがしますが、 当時は屋台で売るのが、主流でした。手軽に入る事が出来て、 手軽に注文でき、手軽に食べられる。この手軽さが、 江戸っ子の気質にあったのではないでしょうか。 値段は1つで4文(現在の80円ほど)からだったですので、 値段も手軽でした。 今で言う回転寿司みたいな感覚で寿司を食べられる。 そんな感じだったのではないでしょうか。


    ちなみにおもなネタはコハダ、たい、あなご、あじ、海老、たこ、 いか、はまぐり、そして玉子などで、今とはちょっと違いますね。 また、漬けにするなどひと手間かけていました。 大きさも現在の倍ほどでした。蛇足ですが、 2つずつ寿司を出す風習は、当時、 食べやすいように半分に切ったからだとも言われています。


    広重「寿司」
    広重「寿司」(出典:ウィキメディア・コモンズ)パブリック・ドメイン

    上に載せた広重の浮世絵でも海老、コハダ、たい、 そして玉子巻きなどが見られます。 それにしても美味しそうですね。

    また、寿司は手でつまんで食べましたから手が汚れます。 当時は酢生姜(現在のガリのようなもの)で濡らして、 暖簾で手を拭いていたとの事です。 従って美味しい繁盛している寿司屋の見分け方として、 暖簾の汚れで判断するなんて事もあったようです。


    天婦羅
    天婦羅(出典:ウィキメディア・コモンズ)パブリック・ドメイン

    サムライも隠れてたべた天ぷら


    最後のファストフードは、なんと天ぷらです。 天ぷらと言う呼び名は、 ポルトガル語の「tempera」からとか、 当時の戯作者の山東京伝が、「 天竺浪人がふらりと江戸に出てきて始めた」 と言った事で名付けられたなど諸説があります。

    この天ぷらも屋台で食べるのが主流でした。 当時の天ぷらは野菜や魚を串刺しにして揚げていました。 見た目は、今の串揚げのようでした。1串4文(80円程度)で、 値段も安く、ふらりとはいって、手軽に食べられるものでした。 浮世絵を見てください。 サムライが身分を隠して食べています。 よほど美味しかったのでしょうね。


    深川江戸資料館


    ちなみに大江戸線の清澄白河駅に行くと「深川江戸資料館」 と言う展示館があります。ここでは、江戸の町を再現していて、 天ぷらの屋台もあります。時間のある方は是非。


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