• 江戸を学び、江戸で遊ぼう

    江戸の三大ヒーロー


    明暦の大火
    明暦の大火(出典:ウィキメディア・コモンズ)パブリック・ドメイン

    江戸時代のヒーローと言えば、力士(相撲取り)、与力( 奉行所の役人、馬に乗る事が許されていてカッコよかったらしい) 、そして火消しで、江戸の三男(さんおとこ) と呼ばれるほどでした。


    ここで問題です。


    江戸時代の消火の方法は、以下のどれでしょう?


    1. 一度、火事になると、基本消火は諦めていた。 燃え広がらないよう祈りを込めて、ひたすら纏(まとい) と呼ばれる物を屋根に登り振るだけだった。しかし、 その様がカッコよかったので、江戸の町民に大人気だった。
    2. 龍吐水と呼ばれる今で言う強力なポンプ車があり、 火消しの男達は、日ごろから鍛えた屈強な体で、 ひたすら漕ぎ消火していた。そのさまが非常にカッコよかった。
    3. 初期消火がダメだと、延焼を防ぐため、 ひたすら周囲の建て物を破壊しまくった。威勢の良い、 その様が江戸の町民に大人気だった。

    江戸時代はエコだった?現在とは異なり、再利用が進んでいた。・・・と、されていますが、 実は破壊して消火していましたので、最もエコとかけ離れた行為だったと言えるかもしれません。ただ、 当時の家屋は基本的に紙と木で出来ていて、 非常に燃えやすいため、 脆弱な消火器具しかなかった当時の事情を考慮すると、 破壊して延焼を防ぐのが、現実的な手法だったようです。
    つまり、正解は3です。


    その消火方法は


    広重 江戸百景「馬喰町初音の馬場」
    広重 江戸百景「馬喰町初音の馬場」(出典:ウィキメディア・コモンズ)パブリック・ドメイン

    火事になると、担当する組が出動します。そして、まず火元の家を破壊し、周りに水を撒きます。それでも燃え広がるようであれば、風下に向かって隣接する家をどんどん破壊し、延焼を防ぐことに注力します。当時でも水は使っていましたが、現在のように強力なポンプ車もなかったため、どんな家でも、それが豪商であっても問答無用で破壊されていました。
    また、同時に半鐘を鳴らし、近隣の住民を避難させることにも注力しました。
    ちなみに映画やドラマの火事のシーンで、屋根の上で纏(まとい)を振り回す光景が見られます。纏とは、それぞれの組ごとのシンボルみたいなものです。これは境目にして、それ以上は延焼させないという決意の表れでもありました。


    町火消の始まり


    江戸の火消はもともと武家の火消しかありませんでした。確か、 歌川広重も元々は旗本の常火消だったと思います。
    町火消は、 名裁きでテレビでも有名な町奉行の大岡越前守忠相により、 享保5年(1720年)に作られました。あの「いろは四十七組 (のちに四十八組 )」と「本所深川十六組」です。当時は、 前にも説明しましたように破壊消火でしたので、身体能力が高く、 家屋の構造に詳しい鳶職人により編成されました。


     


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