江戸時代末期を代表する浮世絵師の一人です。地獄絵のどてらを羽織り、沢山の猫に囲まれ、武者絵を描き続ける。私にとって、国芳そんなイメージです。巨大な骸骨を描いたオカルトチックかつ奇想天外な絵「相馬の古内裏(そうまのふるだいり)」や猫への愛情に溢れた連作などがよく知られています。また、天保の改革を皮肉った数々の作品も世に出し、反骨の浮世絵士としても知られ、一時は江戸のヒーローでした。
【書籍】
もっと知りたい歌川国芳―生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)
歌川国芳: 遊戯と反骨の奇才絵師 (傑作浮世絵コレクション)
歌川国芳猫づくし (文春文庫)
東京スカイツリーが出来た当初、江戸時代(天保2年(1831年)頃)に予言されていたと新聞でも取り上げられ事で有名になった絵です。それは、隅田川の中州から深川方面を望んだ歌川国芳の「東都三つ股の図」という浮世絵です。手前右側には、二人の漁師が船虫を防ぐために船底を焼いているシーンが描かれており、一見、非常に牧歌的な絵に見えます。
左奥を見てください。江戸時代には考えられない異様に高い建造物があります。これはどう見てもスカイツリーにしか見えません。方向的にも何となく一致しているので驚きです。実は、井戸堀用の櫓(やぐら)を誇張して描いたものともされていますが、それでは夢がありませんね。
黒い煙の向こうに見える白い煙のようなものは、実は時の境目を表していて、それを通して、国芳が見えた未来を描いたのだと楽しいななんて、私は思っています。