江戸時代のヒーローと言えば、力士(相撲取り)、与力( 奉行所の役人、馬に乗る事が許されていてカッコよかったらしい) 、そして火消しで、江戸の三男(さんおとこ) と呼ばれるほどでした。
ここで問題です。
江戸時代の消火の方法は、以下のどれでしょう?
江戸時代はエコだった?現在とは異なり、再利用が進んでいた。・・・と、されていますが、 実は破壊して消火していましたので、最もエコとかけ離れた行為だったと言えるかもしれません。ただ、 当時の家屋は基本的に紙と木で出来ていて、 非常に燃えやすいため、 脆弱な消火器具しかなかった当時の事情を考慮すると、 破壊して延焼を防ぐのが、現実的な手法だったようです。
つまり、正解は3です。
火事になると、担当する組が出動します。そして、まず火元の家を破壊し、周りに水を撒きます。それでも燃え広がるようであれば、風下に向かって隣接する家をどんどん破壊し、延焼を防ぐことに注力します。当時でも水は使っていましたが、現在のように強力なポンプ車もなかったため、どんな家でも、それが豪商であっても問答無用で破壊されていました。
また、同時に半鐘を鳴らし、近隣の住民を避難させることにも注力しました。
ちなみに映画やドラマの火事のシーンで、屋根の上で纏(まとい)を振り回す光景が見られます。纏とは、それぞれの組ごとのシンボルみたいなものです。これは境目にして、それ以上は延焼させないという決意の表れでもありました。
江戸の火消はもともと武家の火消しかありませんでした。確か、 歌川広重も元々は旗本の常火消だったと思います。
町火消は、 名裁きでテレビでも有名な町奉行の大岡越前守忠相により、 享保5年(1720年)に作られました。あの「いろは四十七組 (のちに四十八組 )」と「本所深川十六組」です。当時は、 前にも説明しましたように破壊消火でしたので、身体能力が高く、 家屋の構造に詳しい鳶職人により編成されました。