江戸時代後期になると、地方で食い詰めた人たちが、 経済的に高度に発展した江戸へ流入してきました。 出稼ぎに来てそのまま居着いてしまう者も、かなりいたようです。 農業からの離脱者があまりに多くなり、年貢が減少したため、 水野忠邦でしたっけ「人返しの法」なんてものも出して、 強制的に帰農させたくらいでした。
流入して来た人たちは生活に困らなかったのでしょうか? 本当に仕事があったのでしょうか? 当時100万都市だった江戸ですが、 その半分の50万人はいたとされる町人、 どんな働き口があったのでしょうか?
ここで問題です。
次の5つの中から、当時の働き口として、 正解と思うものを選んでください。
その日暮らしと言ってはちょっと語弊があるのですが、 日雇いで働いていた人がたくさんいました。先ほどの5択ですが、 全て正解です。食べる分だけ稼ぐスタイルだったのです。 ですから、労働時間はそれほど多くありませんでした。
世界一の過密都市だった江戸ですが、「足る事を知る」 と言いますか、月の半分も働けば、妻や子供を養っていけ、 幸せに暮らしていけたようです。今のフリーターのような働き方が当たり前でした。逆に、商家で働く人たちは、 なかなか休暇も取れず、結婚も出来ないなど、 多忙を極めたようです。何だか、今と変わらないですね。
江戸時代と比べ、今の私達の生活は、物だけに目を向けると、 驚くほど豊かになっています。 ガムシャラに働けば手に入らないものはないのかも知れません。 でもちょっと立ち止まって考えてみましょう。 それだけが幸せではないですよね。 私達も江戸時代のようにワークシェアリングをして、 スローライフを楽しむのも一手だと思います。